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IDESコラム vol. 34「おまえの意思をもっとも明確に伝えることができる言葉を使え」

感染症エクスプレス@厚労省 2018年12月28日

IDES養成プログラム3期生:神代 和明

こんにちは、IDES3期生、WHO本部のあるジュネーブにて勤務しております神代和明です。

ジュネーブは、フランスとの国境近くにあり、ジュネーブ市内、付近の街では主にフランス語が話されています。また、WHO内では、英語はもちろん、フランス語を話す人も多く、またフランス語圏のアフリカ諸国からの連絡がフランス語で行わる機会があり、私もフランス語の勉強を始めました・・・なかなか難しく四苦八苦している毎日です。

言語能力が高いというと、数十の言語に精通していると言われているゴルゴ13を思い出します。ゴルゴ13は依頼人が話すときに、「おまえの意思をもっとも明確に伝えることができる言葉を使え」と言っていますが、依頼人の本当の意図を把握し、間違いが許されない仕事をしている彼ならではの言い分です。混乱を招かないために、言語のことをだけではなく、コミュニケーションにおいて、シンプルでわかりやすく正確に意思をしっかりと伝えることの大切さを感じます。

あらゆる局面で、効果的にそして的確に自分の意思を伝えるために必要なコミュニケーションの方法を考えることが求められます。コミュニケーションといっても、物事を伝える相手がかわれば、コミュニケーションの方法もいろいろ変わると思います。コミュニケーションの相手が、同僚か、上司か、組織の外か、一般の人か、あるいは、日本語で行えばいいのか、英語なのか、フランス語なのか。つまり相手に合わせてコミュニケーションを取る必要があります。

前回のIDESコラムでは、健康危機やアウトブレイクの封じ込めを行うための、探知→検証→評価→情報共有→現場調査の一連のプロセスを、Epidemic Intelligence (EI)とよぶことに触れました。さらに踏み込んで、EIは情報還元まで含み、国際保健規則(IHR)の下、アウトブレイクや健康危機が起きている当事国に加えて、関係各国に情報提供を行うシステムがあります。また、IHRの枠組みに加えて、こういったリスクを一般の人たちにも状況を伝えるdisease outbreak news (DON)と呼ばれるウェブサイトがあり、WHOの健康危機管理および対応についての情報を知ることができます。
私の所属しているチーム(探知、検証、評価部門)は、WHO内で、疾病専門家はもちろん、コミュニケーションを担当しているチームとも密に働いています。いただいた、あるいは得た情報を、組織としての意思をもち、だれでもわかる言葉で還元していく重要さを感じる毎日です。ただ一方的に情報を発信しても、必ずしも相手に正しく情報を伝えることにはなりません。まさに相手に合わせた情報発信が必要ですが、現在、試行錯誤しています。
依頼人とバイラテラルな関係のゴルゴ13は、仕事柄、自己発信することはまずありません。本人がしっかりと依頼の意図を理解する必要のみで、あとは遂行するのみ。我々役人は、さらに一歩踏み込こんで、得た情報を、適切なタイミングで、国民の皆様に還元することが求められます。そこで、「自分自身の意思をもっとも明確に伝えることができる言葉を使え」と私たちが問われるわけです。

「おまえの意思をもっとも明確に伝えることができる言葉を使え」の「言葉」には、言語という意味以外に、拡大解釈して、「手法」ととらえることも可能だと思います。つまり、メッセージを伝えるために写真、絵、図や表などをを使うことも有効です。我々の使う方法として、このIDESコラムもそうですが、メールマガジン、厚生労働省ウェブサイト、ポスター・リーフレット、イベント、記者会見、twitterなどSNSと多岐にわたります。AMR臨床リファレンスセンター(厚生労働省委託事業)は、昨年度、私が関わった薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書にあるすべてのデータを日本語・英語の両方でダウンロード可能にして、AMR に関する対策及び研究を進めるのに役立てるという二次利用可能にしています。このように、健康危機管理や感染症対策についての政策や取り組みを世界の人に発信していくことが、日本の意思を明確に伝えるためにさらに必要となってくるのではないでしょうか。

皆様もご自身に問うと良いかもしれません。
「おまえの意思をもっとも明確に伝えることができる言葉を使え」

参考
国際保健規則
https://www.who.int/topics/international_health_regulations/en/
Disease Outbreak News
https://www.who.int/csr/don/en/
AMR臨床リファレンスセンター 薬剤耐性ワンヘルスWEBサイト
https://amr-onehealth.ncgm.go.jp/en/

(編集:成瀨浩史)

くろまる当コラムの見解は執筆者の個人的な意見であり、厚生労働省の見解を示すものではありません。
くろまるIDES(Infectious Disease Emergency Specialist)は、厚生労働省で3年前の平成27年度からはじまったプログラムの中で養成される「感染症危機管理専門家」のことをいいます。

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